入社後は、ドレスコーディネーターをしています。女性は身体のラインなど悩みポイントを各々でお持ちの方が多くいらっしゃいます。それをいかに話していただける空気をつくるか、あるいは、いかに私が気づくことができるかが、大事だと思っています。もちろん一生に一着の大切なドレス。好きなものを選んでいただくのが何よりですが、「あなたを最も輝かせる衣裳を、一緒に選びたい」という気持ちで担当させていただいているので、肩幅が気になる方だったら、こういうラインもある、こういうカバーの仕方もある、というように、プロとしてお客様をリードしながらコーディネートするよう心がけています。入社以来、やりがいを感じなかったことは一度もないです。

コーディネートを担当する中で、「日賀井さんが選んでください」とおっしゃるお客様もたくさんいらっしゃいます。しかし、女性のお客様の多くは、ご自身の好きなデザインやシルエットのイメージがあります。そのような際、私はドレス以外の質問をするようにしています。普段どういうライフスタイルなのか。何に興味があるのか。趣味は何か。そこから得たヒントをもとに、例えば、手芸が好きな方だったら、刺繍の入ったレースをご提案したりしています。一番きれいに見えるドレスを着てほしい、という気持ちの前に、「あなたを知りたい」という思いがあるので、いろんな質問が出てくるのです。

ドレスコーディネーターは結婚式当日におふたりに付き添うことはあまりありません。そのかわりに初めてウエディングドレスを着るという素敵な瞬間に立ち会うことができます。大切な人へドレス姿を見せる瞬間は私までドキドキします。なかでも先日、とてもクールな新婦様がいらっしゃって、なかなか打ち解けられずにいました。受け答えそのものは少なかったものの、お話しを聞いているなかで、すごくこだわりのある方だというのが伝わってきたのです。絶対に運命の一着に出会ってほしい。そう思いながら迎えた最終フィッティング。

ドレスのサイズもぴったり、歩く練習も終え、あとは当日を迎えるだけ、となった際、ご新婦様からお手紙をいただきました。「あなたに出会えたからこそ、このドレスに出会えました」と涙を流しながら喜んでくださっていました。こんなにも素敵な言葉をいただき、私が存在する意味が心底感じられ、ご担当することができて心からよかったと思いました。仕事をする上では、まだ自分に満足したことはありません。だからこそ、今以上に接客を極めていくためにもたくさんの人と出会いたい。私自身がこの仕事を全力で楽しんでいきたい。そう思っています。これからを考えるだけで、ワクワクが止まりません。